フィリピン留学体験談【San Carlos大学院へ進学、Martinさん】

語学学校でインターンマネージャーとして働きながらサンカルロス大学大学院への進学を決めたMartinさん

Martinさん

自己紹介と今までの簡単な経歴、これから通う大学について教えてください。

Martinと申します。1992年生まれで現在23歳。生まれも育ちも東京です。大学は日本で建築学科を卒業しています。現在は日本の大学院にも在籍していますが休学中です。サンカルロス大学へは2016年6月から通います。専攻は人類学です。ZEN English(旧USP-ESL)では2015年5月から現時点で約1年間、働きながら勉強をしています。

なぜフィリピンの大学を目指そうと思ったのですか?

インターンでここに来た時はフィリピンの大学ということは考えていなかったですが、もともと海外の大学院に関心がありました。そのために英語を集中的に勉強したく、インターンで長期滞在してみようと思ったんです。そしてフィリピンの大学について色々知っていくうちに、この選択肢はアリだなと。もともとバックパッカーをしていて、東南アジア諸国が大好きだったのもあります。また、フィリピンの大学院は働きながら通うことが想定されているため、授業が夜間や週末にあるんです。働きながら学位も取れる、そこもかなり魅力的でした。

人類学とはどんな分野ですか?

簡単にいうと文化を勉強します。大学院は研究がメインなので、ある程度のジェネラルな科目を履修した後はそれぞれの研究分野を追求する感じだそうです。かなり幅広い学問だと言えますね。

大学では建築を勉強していたそうですが、何故違う分野に?

もともと人類学・民俗学には関心がありました。「お前は建築より民俗学が向いているよ」と大学の友人に言われたこともありました笑。また、フィリピンの理系分野ってそこまでレベルが高くないんですよね。一方日本は非常に高い。研究施設もかなり充実していますよね。サンカルロス大学にも建築学科はありましたが、ここで勉強するなら建築はなんか違うなと思っていました。一方でフィリピンは文化大国です。約7000の島々から成り、70以上の言語が存在。地域によって本当に様々な文化が残っています。人類学を学ぶ上ではこの上ない環境であり、フィールドワークの聖地と言えるでしょう。こういった理由から、もともと関心のあった人類学を専攻してみようと決めました。

大学の授業は全て英語になりますが、もともと得意でしたか?

苦手でしたし嫌いでした。大学1年の時に基礎科目として英語があったのですが、10クラスくらいにレベル分けされて、僕は一番下のクラス笑。そのクラスの中でも英語が出来ないヤツでした。「日本人なのに何故英語なんて勉強しないといけないんだ」が口癖でした。当時の僕を知る友人たちは、この現状にかなり驚いています。

では何がキッカケで英語の勉強を始めようと?

バックパッカーで行った東南アジア一周がキッカケでしたね。もともと海外旅行はツアー等でしたことありましたが、初めて自分の足で世界を周り、沢山の外国人と接して、単純に、英語をもっと話せるようになったら人生もっと楽しくなる!と思ったんです。そこから友人に薦められたフィリピン留学を申し込み、独学で英語の勉強も始めました。これがフィリピンとの出会いですね。もとの英語力が本当に低かったので周りからは「無理だよ」等、マイナスな意見が多かったですが、見返せるくらいの英語力は付いたのではないでしょうか。

働きながらの勉強・進学で苦労されたことはありますか?

僕はインターンなので、午前中に働いて、午後に授業を受けるといった生活を続けています。普通に学生として留学している人より苦労している?のかもしれませんが、自分自身、特別苦労しているといった感覚はありませんね。ただ自発的かつ、自分をマネージメントする能力は必須だと思います。そうすれば働いていようが勉強すること・英語力を上げることは十分可能です。生徒じゃない分、良くも悪くも自分の責任ですね。インターンだから思うように英語力が上がらなかった、というのは努力を怠った人の言い訳でしょう。

大学院進学へ向けてどんな勉強をしていましたか?

大学入試というよりかは、大学に入ったあとを意識して勉強をしています。入試は本質的な英語力を問われるので対策が難しいです。またフィリピンの大学はいわゆる欧米式で「入るのは簡単で卒業するのが難しい」といった特徴がありますのでとにかく入ってからを想定した勉強をしています。内容としては、アカデミックな英単語や英文を使って勉強しています。これらの単語は日常会話で使う範疇を遥かに越えており非常に難易度が高いです。また、新聞やテレビ等の生きた英語にも触れるようにしています。入試へ向けて勉強するというよりかは、入った後を考えて、根本的な英語力を上げる必要があると思いますね。入学後にやっていける力が付いていれば、入試に関してはまったく問題無いはずです。日本の大学受験とは同じに考えない方がいいと思います。

面接と入試はどうでしたか?

面接は、僕の大学時代の勉強の話や、これからの研究の話がメインでした。もともと関心がある分野で、研究したい内容とかもいくつか頭の中にあったので、こちらは特に問題無かったです。
入試は、英語・IQテスト・エッセイの3種類でした。英語がとにかく難しかったです。うちの学校から学部を受けたシュン君と話しましたが、大学院と学部受験では英語試験の難易度だけ大きく異なるようです。

フィリピンの大学進学へ必要な英語力とはなんでしょうか?

テスト対策という一時的なものではなく、とにかく根本的な英語力だと思います。それは単語力・文法力・リスニング力・読解力等、語学を構成する全てを含むでしょう。これらは一夜漬けで得られるものではないので、毎日地道にやっていくしかないです。

受験対策として個人的にやっていた勉強法はありますか?

これは勉強法と呼べるのかわかりませんが。どうしても勉強に集中できない時や、疲れてしまった時ってありますよね。そういう時は、英語のテレビを見たり、YouTubeのバイリンガールとかを見るようにしています。これならやる気が無くでも大丈夫ですし勉強にもなります笑

これからの大学生活の豊富を聞かせてください。

まず僕は引き続きZEN Englishでマネージャーとして働かせてもらいます。うちではフィリピンの大学進学を目指す人へのサポートも行うので、自分の知識と経験を活かしてそういった人たちの力になれればと思います。大学では、英語で授業という恐怖感がある一方で、好きなことを学べるので楽しみな気持ちも強いです。研究はもともと大好きで得意分野なので、なんかしらの成果を出して日本人フィリピン文化研究者としての地位を確立したいです。

大学院卒業後や、将来的な目標があれば聞かせてください。

僕は持続可能性・環境・貧困を始めとする社会的な問題に昔から関心があります。最終的にはこれらに対して自分で何か行動を起こしたいと思っています。今関心があるのはソーシャルビジネス(ビジネス的なアプローチで社会問題を解決すること)です。今は色んな意味で力を貯める時期だなと。そして大学で得る知識のアカデミックな側面とビジネスの側面を使って社会的な問題を解決し、お世話になっているフィリピンに恩返しができたらなと思っています。

これからフィリピンの大学を目指す人たちへ一言お願いします。

Martinさん
国境という概念がどんどん無くなって来ている現代では、自分の生まれた場所にこだわる必要は無いと考えています。ここフィリピンに限らず行きたい場所があるならば、世間体なんて気にしないで行けばいいんですよ。フィリピンの大学は日本社会の中で欧米等と比較して、それ程高評価はされていないと思います。しかしこうした本質的ではない壁はそのうち取り払われますし、日本の大学と比較してもフィリピンの大学は魅力的な部分が沢山あります。これからの時代、フィリピンで大学進学という選択肢はアリだと思いますね。

インタビュー後記

日本の大学院に所属していながら、フィリピンの大学院生でもあり、語学学校のスタッフでもあるという、非常にユニークな経歴をお持ちだなという印象です。
これからフィリピンでの大学進学を目指す人たちは、是非、現役の大学院生である彼の元で勉強してみてはいかがでしょう。

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